▼カテゴリーをお選びください

原状回復費用を大幅に減額したうえで和解した事例

事案の概要

相談者は物件の元賃借人で、元賃貸人から物件の原状回復費用として140万円ほどの請求を受け、支払を拒否していたところ、裁判を提起されたということで相談に来られました。

 

解決の内容

相手方が裁判で提出した物件内の汚損状況等の資料を見たところ、確かに賃貸契約中に一定の汚損等が生じていたことは窺えるものの、原状回復の対象範囲が広すぎることや、経年劣化による修繕費用の減額をあまり考慮せずに、過大な金額を相談者に請求しているものと思われました。

そのため、相談者の代理人として、元賃貸人の請求する原状回復費用が過大であることの根拠等を詳細に記載した反論書面を裁判所と相手方代理人弁護士に提出しました。

相手方代理人からは、再反論の主張もなされましたが、当方と相手方の主張を総合的に考慮したうえで、裁判所からは、約45万円の原状回復費用を当方が相手方に支払うという和解案が提示され、双方とも合意したため、和解により解決することとなりました。

 

解決のポイント

居住用物件からの退去後に、原状回復費用の金額の見積もりが出されますが、元賃借人の賃借時の部屋の使い方などによって、予想外の原状回復費用がかかってしまう場合があり得ます。

このような場合、どこまでの範囲で賃借人に原状回復費用の負担義務があるのかが問題になりますが、居住用物件については、国土交通省が定めた原状回復をめぐるガイドラインがあるので、このガイドラインが参考になります。

本件も、このガイドラインに基づき、原状回復費用を賃借人が負担しなければならないほどの損耗といえるか(通常損耗か否か)や、負担しなければならないとしても過大な補修費用が請求されているのではないかといった観点から、補修箇所の費用項目ごとに反論を詳細に行った事案です。

上記のガイドラインには一定の基準は示されているものの、実際に原状回復費用を借主に負担させるべきかや、その負担額の妥当性の判断を行うには、個別に、原状回復が必要となった箇所の写真等から、汚損の程度・範囲等を検討するほか、各補修対象の建具や部材等の耐用年数等を考慮していく必要があります。

本件で、相手方は、相手方提出の写真には写っていない部屋の汚損についても、補修の対象に含んで原状回復費用を請求するなど、証拠の不備も見受けられました。

そのため、こうした証拠の不備も指摘しながら、過大な費用請求であることを当方は主張しました。

その結果、裁判官に当方の主張も相当程度考慮してもらえ、裁判所の勧告により当初の相手方の請求額の半分以下の金額で和解することができました。

一審敗訴のパラボナアンテナの撤去請求が控訴審で和解により解決した事例

事案の概要

相談者はマンション管理組合の理事長であり、マンションの1室の所有者が、管理規約で禁止されているにもかかわらず、ベランダにパラボラアンテナを取り付けているので取り外しを求めたいということで相談に来られました。

なお、既にアンテナの撤去及び違約金の請求(弁護士費用)を求めた裁判を提起し、第一審では請求が認められず、敗訴となったため、控訴をしたいということでした。

 

解決の内容

第一審の判決文を確認したところ、判決理由の中で区分所有法(マンションの管理等に関する権利関係等を定めた法律)の法律解釈を誤っていると思われる点がありました。

そのため、第一審の判決に法律解釈の誤りがあること等を理由として、高等裁判所に控訴を提起しました。

高等裁判所による審理手続きの中で、裁判官から、第一審が出した判決には疑問に思える点があるとの心証開示がなされました。そのうえで、裁判所からは、当方の請求のうち違約金の請求は求めない一方で、相手方がパラボラアンテナを撤去するという内容で和解してはどうかとの提案がなされ、結論として和解によりパラボラアンテナが撤去されることとなりました。

 

解決のポイント

マンション内でのトラブルが生じた際には、マンションで定めている管理規約のほか、マンション内の権利義務関係等を規定した区分所有法がどのようなルールを定めているのかを検討する必要があります。

それに加えて、区分所有法の具体的な解釈については、過去の裁判所の判断(判例、裁判例)まで検討しなければならないことも多くあります。

本件では、第一審での裁判所の判断において、区分所有法の解釈につき、過去の判例の解釈とは異なった判断枠組みが取られているように思われたことから、そうした点を控訴審で主張し、第一審の内容を実質的に変更した、パラボラアンテナを撤去するとの内容で、裁判所から和解案の勧告がなされ、管理組合の主な請求内容を実現することができました。

借地契約の期間満了を理由に土地明け渡しを求められた事例

地主から、借地契約が6か月後に満了になるため、満了日までに建物を取り壊したうえで土地を明け渡すようにとの通知が送られてきたためご相談に来られました。
これまで60年ほど借地契約が更新されてきたのに、出ていかなくてはならないのかという疑問を持たれていました。
法律により、借地契約は期間満了により当然に終了するものではなく、正当な理由がなければ借地契約は更新されることになります。
このことを踏まえ、借地権を更新させて現在の自宅に居住を続けていくか、または立ち退き料を支払ってもらうことで別の住居を購入し移転をするかについてご依頼者の意向を伺った結果、立ち退き料を支払ってもらうことで方針が決まりました。
その後、地主との間で交渉を行い、地主側からは借地契約を続けるならば賃料の増額をするなどの反論も出ましたが、交渉の結果、新しい住居を購入できるだけの立ち退き料を支払ってもらうことで合意が成立しました。

民事調停により相当額の立退き料の支払いを受けられた事例

ご依頼者は、賃借しているテナントで事業を営んでいましたが、貸主からビルの取り壊しを理由に早期の立ち退きを求められているということでご相談に来られました。
貸主側の一方的な都合により立ち退きを求められている場合には、立退きに応じる必要はないことを説明しました。そのうえで、ご相談者と協議し、貸主がどうしても立退きを求めるのであれば、立ち退きをする際の引っ越し費用や相応の補償金を求めるという方針で貸主との交渉を弁護士が代理人として行うこととなりました。

貸主との交渉を行うにあたっては、ご依頼者が早期の解決を望んでいたこともあり、訴訟に比べて比較的早期の解決が期待できる民事調停の手続きを用いることとしました。

その結果、話し合いから3,4か月で話し合いがまとまり、一定額の立ち退き料をご相談者が得ることで立退きをするとの調停での合意が成立しました。

家賃滞納の物件につき、建物明渡し訴訟により、明渡しがなされた事案

ご依頼者は、テナント用物件の貸主でした。
賃借人が家賃を滞納していることに加え、貸主に無断で別の賃借人に転貸をしていたため、テナント物件の早期明渡しと、滞納家賃の支払いを求めたいとのことでした。
受任後、直ちに賃料不払いおよび無断転貸を理由に、テナントの明渡し訴訟を提起しました。
訴訟を進行させていく中で、借主側は滞納家賃を支払う資金もないため、テナントの早期明渡しを優先させるべきと判断し、滞納家賃の支払いを免除する代わりにテナント物件を明け渡すことを取り決めた和解により、物件の明渡しがなされました。

相続不動産を売却する方法で遺産分割協議が成立した事例

ご相談者は、祖父の代から名義変更をしていない不動産の相続人の一人であったところ、同じく相続人の叔母の代理人弁護士から、上記の相続不動産の分割協議のため、遺産分割調停を起こすとの通知を受領したため、対応方法についてご相談に来られました。

なお、ご相談者は、過去のいきさつで叔母には法定相続分がないのではないかと考えられていました。

ご相談者の依頼で、当職がご相談者の代理人として叔母の代理人弁護士と連絡を取り合うとともに、叔母に相続分がないという点についても、相談者や関係機関への問い合わせを通して事実関係を確認していきました。

事実関係の確認を通し、叔母に法定相続分がないという主張は通りがたいという結論に達したため、ご相談者にもこの点を説明し、叔母の法定相続分を認める前提で、あとは相続不動産の分割方法を決めていくという方針で交渉を続けることとなりました。

その結果、不動産仲介会社を通じて、相続不動産を買い取りたいという会社が見つかったため、当該会社に不動産を売却し、売却金額を各相続人が法定相続分に従って分配するという内容で遺産分割協議が成立することとなりました。

叔母の遺産を受け継ぐことができた事例

ご相談者の叔母が亡くなり、生前に身の回りのお世話をされていたご依頼者が叔母の遺産を受け継ぐため、叔母の相続人全員からご相談者が遺産を受け継ぐことについての同意書を取り付けたいとのご相談でした。
しかし、叔母が養子縁組をしていたことなどから、相続人が叔母のいとこまで広がってしまっており、相続人が何人いるかも分からないというご状況でした。
なお、叔母の遺産には、不動産のほか、預金がありました。

まずは弁護士から相談者に、相続人の範囲を確定させることが必要となること、そのために戸籍をたどっていく必要があることをご説明しました。
戸籍を収集し、相続人関係図を作成することをまずはご依頼いただいたところ、相続人が30名に及ぶことが判明しました。
その後、ご依頼者を除く他の29名の相続人に対して、ご依頼者に相続分を譲渡するとの同意書を取り付けられるよう交渉を行い、4か月ほどかけて、他の相続人全員から相続分を譲渡するとの同意書を取り付けることができました。これにより、叔母の不動産について、ご依頼者名義への移転登記が行えたほか、叔母の預金口座の払い戻しもご依頼者が行うことが可能となりました。

宅建業者の債務不履行による違約金に関し弁済業務保証金から還付を受けた事例

事案の概要

相談者は不動産会社(宅地建物取引業者(以下「宅建業者」))との間で、宅建業者が所有する抵当権の付いた土地を一定の期限内に抵当権を抹消してもらったうえで、売り渡してもらう内容の売買契約を締結していました。

この売買契約書には、売主の責任で約束の期限までに抵当権を抹消のうえ土地を相談者に引き渡せなかった場合は、違約金として売買金額の20%を売主が買主に支払うという契約が締結されていました。

そうしたところ、約束の期限を過ぎても売主(宅建業者)が抵当権を抹消できず、買主である相談者に土地を引き渡せなかったため、相談者は宅建業者に違約金を請求しましたが、宅建業者は倒産寸前であったため支払う余力がありませんでした。

そこで、相談者は当該宅建業者が加入する保証協会が供託所に供託する弁済業務保証金から上記違約金の支払いを受ける手続きを申請したいということで当事務所に相談に来られました。

 解決の内容

当事務所の弁護士が、相談者の代理人として、保証協会に弁済業務保証金の還付を受けるための申請手続き(苦情申出)を行いました。その結果、申請から1年ほどかかりましたが請求をした違約金のほぼ全額につき保証協会から支払い対象として認証され、支払を受けることができました。

 解決のポイント

宅建業者は、法律により、宅建業を行うにあたって、一定の供託金とよばれる預け金を直接、供託所に供託(預入れ)するか、保証協会に加入したうえで、弁済業務保証金分担金を保証協会に納付することが求められています。

これにより、宅建業者と不動産の売買等の宅建業に関する取引をした相手方(但し宅建業者である場合を除く)は、宅建業者による債務不履行などで損害を被った場合に、当該宅建業者に支払能力がなかった場合でも供託された金額の範囲内で支払を受けられます。

 本件では、相談者の取引した相手方宅建業者に資金力がなかったため、供託金から支払を受けるべく、保証協会に苦情申出という手続きを行うことで供託金から違約金の回収ができた事例です。

 供託金の請求を保証協会に申請するにあたってのポイントとしては、2点あります。

一つは、なぜその取引で違約金が発生するのかといった経緯を説明書面や証拠書類を添付して詳細に説明する必要があるという点です。

もう一つは、供託金の金額は一定額(例えば、宅建業者の事務所が本店1つの場合は1,000万円となります)に限られており、多数の者がいっせいに供託金からの支払いを求めた場合は、申請が早い者から順番に供託金が支払われるため、申請が遅いと既に限度額まで供託金が払われてしまい、支払を受けられなくなるリスクがある点です。

そのため、取引をした宅建業者から支払を受けることが難しそうだと判断した場合には速やかに、供託金からの還付を受けるべく、資料、経緯等を整理したうえ、保証協会等に申請することが重要になります。

賃貸していた建物につき、賃借人との間で退去合意が成立した事案

事案の概要

相談者は所有する不動産(マンション)を賃貸に出していましたが、ご家庭の事情の変化により賃貸に出している不動産に居住を希望されました。

しかし、借主は立ち退きを拒否したので、どのように対応すればいいか弊所に相談されました。

解決の内容

相談者と借主との契約は一般的な賃貸借契約であり借地借家法が適用される契約であったため、貸主が賃貸借契約を解除しようとしても、正当事由がなければ一方的に賃貸契約を解除することはできませんでした。そこで弊所弁護士が相手方と任意交渉を行い、賃貸借契約を直近の契約更新日にて終了し、その後1年半以内に立退料170万ほどを支払うことで立ち退きをしてもらうという条件で退去の合意を締結することとなりました。

解決のポイント

建物の賃貸借契約においては、一般的に借地借家法が適用されることが多く、その結果、借主の地位が保護されており、「正当事由」がない限り、更新期間満了を迎えても貸主が一方的に更新を拒絶することができないこととなります。

本件は、貸主が賃貸していたマンションに自らが居住する必要が生じていたことから、裁判で争った場合であっても「正当事由」の要件を満たす可能性もありました。

しかし、裁判になった場合は明渡しが認められるかに不確実性が残ることや、費用や審理に必要となる時間等もかかることを考慮し、借主側の立場も一定程度考慮したうえで上記のような退去合意を締結することで、早期の解決に加え、将来の確かな明渡しが期待できることから、上記解決を図ることとなりました。

掲示板に書き込まれた誹謗中傷記事につき、削除依頼フォームを用いて削除した事案

事案の概要

個人の方からのご相談で、相談者のプライバシーに関する書き込みが誰でも閲覧可能な掲示板に記載されているため、書き込みを削除してもらいたいとの相談がありました。

解決の内容

書き込みがなされている掲示板の運営会社をまずは特定し、そのうえで、運営会社のウェブサイトにある削除申請フォームを通して、具体的な削除理由や削除してもらいたい書き込みの箇所を特定のうえ、削除申請を当事務所の弁護士が行ったところ、1週間程度の期間を経て、無事書き込みが削除されました。

解決のポイント

インターネット上の掲示板などには特定の人や企業の誹謗中傷とも受け取れる書き込みや、個人のプライバシー情報が書き込まれてしまうことがあり得ます。こうした場合に、まずはその掲示板の運営会社に対して、運営会社が用意している削除フォームを利用して、削除を求める理由を示しながら、削除対象の書き込み箇所を特定のうえ、削除申請をするという方法が考えられます。

削除申請フォームからの申請をしても削除がなされないケースもありますが、本件は、掲示板の運営会社が設定している削除依頼のフォームからの申請で書き込みが削除されたため、比較的、短期間で削除の目的を達成できた事案と言えます。

弁護士相談申込み

面談は完全予約制

時間外相談・当日相談・土日祝日相談・企業向け出張相談

03-6427-5466

電話受付(営業)時間:平日 9:00 ~20:00

面談受付時間:平日・土日・祝日 9:00~21:00

お電話、メールでの相談は受け付けておりません。面談での法律相談をお申込みください。

弁護士相談申込み

03-6427-5466

電話受付(営業)時間

平日 9:00 ~20:00

面談受付時間

平日・土日・祝日9:00~21:00

面談は完全予約制

ご予約で以下の対応が可能

時間外相談・当日相談・土日祝日相談・企業向け 出張相談

お電話、メールでの相談は受け付けておりません。面談での法律相談をお申込みください。
上記にお住まいまたは勤務されている方からのご相談が多いですが、その他のエリアのお客様もお気軽にご相談ください。